地域に開かれた古民家学生寮「熱風寮」
空き家活用特集第2弾は、空き家を活用し、カフェやゲストハウス、学生寮を運営する
大堂良太さんに取材させていただきました。
今回の取材は学生寮の運営のお話が中心です。
学生寮は、福岡県糸島市で九州大学の学生が中心に利用する「熱風寮」という6棟の寮です。
空き家を活用し、寮を運営することに興味がある私にとって、
今回のインタビューはとても勉強になりました。
大堂さんが糸島に移住した理由から、どのような教育寮、地域コミュニティを目指しているのか。
今大学生である私へのアドバイスなど、幅広くお話させていただきました。
まず初めに、教育寮がある糸島市は、福岡市の西側に位置しており、
都会から車で行けるビーチや山などがあり、自然も感じられるまちです。
空き家は1000件以上あるといわれており、まだまだ活用しきれていないそうです。
そんな糸島市に移住した理由を大堂さんにお伺いしました。
「糸島市に移住したわけではなく、母校である九州大学で学生寮を運営したい、
という想いがあり、それを実現させるために移住した先が糸島だった。」とおっしゃっていました。
そもそもは、九州大学が移転したのがきっかけで、移転先が福岡市と糸島市の市境で
あったため、そこに寮を作るのが一番いいと考えたそうです。
私は今まで、移住するなら「ここに住みたいと思ったから」という理由の方が多いと
思っていましたが、「自分のやりたいことを実現させようと思ったらここが一番だった」
という理由での移住はあまり実際に聞いたことが無かったため、
新鮮であったのと同時に、その地域では何が出来るのかなど、
周辺の環境も踏まえつつの地域資源を考えることが重要であると感じました。
大堂さんはなぜ学生寮を運営しようと考えたのか、お伺いしました。
大堂さんは自身が大学生の頃に学生寮を利用していたそうです。
元々教育に関心があり、「若い人の支援を行いたい」と考えていたそうですが、
それと学生寮を結び付けたのは社会人になってから。
現在は「熱風寮」という寮を6棟運営されています。
学生寮に使用されている空き家はどのように見つけたのでしょうか?
全部で6棟の寮があるうち、1棟目は民間の不動産屋さんから見つけ、
2棟目以降は地域の方から紹介していただいた物件だそう。
私は、てっきり糸島市の空き家バンクに登録されている物件から選び、
寮に使用しているのだと思っていましたが、
寮に使用されている物件は空き家バンクに登録されていた物件ではないそうです。
現在、6棟の寮の稼働率は92%。
学生だけでなく、一部社会人が住めるシェアハウス型の物件があり、
全部で30人ほどが寮を利用しています。
寮の運営にあたり、空き家を活用しようと思ったきっかけは何か、お伺いしたところ、
「新築で寮を作るイメージはなく、既存の賃貸物件を活用して運営しようと決めていた。空いている物件を活用して作ろうという気持ちはあったから、学生支援と地域課題解決を両方出来ればなと思っていた。」とおっしゃっていました。
自分のやりたいことで地域課題解決が同時にできるのは、凄いことだと思います。
そして私もそれを目指したいなと思いました。
寮で使用されている空き家のリノベーションなどは、漆喰やペンキなど
自分で出来ることは行いましたが、他は地域の方々に協力していただいたそうです。
例えば、設計の図面は、同じ九州大学出身の先輩の建築士の方に書いていただいたり、
法律面は建築士や市役所の方々の協力していただいたり。
寮が完成するまでに、一緒にペンキを塗るイベントや掃除をするイベントを行い、
九州大学の学生や地域の方々、大堂さんが知り合った糸島の方々など、
全部で50人ほどが参加されたそうです。
まさに、みんなで協力して作り上げた寮だと感じます。
私はこのお話を聞き、大堂さんは人や地域との繋がりをとても大切にしているなと感じました。
寮を運営していて良かったと感じることは何か、お伺いしたところ、
「空き家活用や寮に関しては、地域の方々と深いつながりが出来る。農家さんが野菜のおすそ分けをしてくれたりなど、ほっこりする繋がりがある。」とお話されました。
学生寮を利用している学生から、
「家と学校の往復だけではなく、地域との繋がりがあるため、第2の故郷のように感じることができ、地元を離れていても寂しくない。」という声もあるそうです。
地域に開かれた学生寮で、地域に興味がある学生が多く
、積極的に学生自身が地域イベントに参加しているそう。
コロナ以前には、学生自身が地域の公民館を活用し、
寺子屋のような学習塾をしていたそう。
現在は、3月に新しくできた寮で学習塾をしようと動いているんだとか。
他にも、普段の生活の中で、寮にあるホワイトボードを使用し議論なども行っているそうです。
私も大学の寮で先輩とシェアハウスを行っているので、
地元を離れていても寂しくないという気持ちはとても共感できます。
学生寮を何事もなく利用するのではなく、利用しているからこそ地域の方との繋がりが
出来たり、地域に対する想いや考えが深まったりするのは、とても素敵だと感じました。
逆に大変だと感じることは何かもお伺いしました。
すると「大変なことはない。許認可の取得や学生さんを集めることや、運営で足りないものを買い足したりなど、ハードルはあるが好きでやってるため大変だとは感じない」と
お話してくださいました。
今までで1番高かったハードルは、1棟目の寮が市街化調節区域のエリアだったため、
寮開設を行政に認めてもらうまでが大変で半年くらいかかったことだそう。
市街化調節区域とは、市街化を抑制する区域で、住宅等の建築が禁止されたりするエリアのことを言います。
これらのお話を聞き、大堂さんの教育寮への想いの強さをとても感じました。
ちなみに、1つの空き家を寮として運営させるまでは最短で半年、時間がかかって1年くらいで開設できるそうです。
教育寮を運営しているうえで、どのような教育を目指しているのか。
また、どのような地域コミュニティを目指しているのか質問させて頂きました。
「学生自身がやりたいことを見つけ、それをやれるようなスキルや考え方、行動力を寮生活で身につけ、社会に出たときに活き活きと社会で活躍できるような学生を増やし続けたい。
地域コミュニティは、ここには誰々が住んでいて、うちの寮には何々君が住んでいてこんな活動をしている、など個人のプロフィールや顔が見えるようなコミュニティにしたい。」
と、お話されました。
それらを実現させるために日々努めていることは何かもお伺いしたところ、
出来るだけ地域の行事に参加したり、自治組合に参加しているそうです。
自治組合に参加すると、地域の方に仲間として認められることが出来ます。
大堂さんが考える空き家活用・地方創生とはどのような意味なのでしょうか。
大堂さんは、空き家活用や地方創生は継続的にやれるかどうかが大事であり、
事業が継続的にできるような仕組みを作ることが重要であるとお話してくださいました。
自分がやりたいと考えていても、それを継続的に行うことが出来るのかが
とても大切だと実感しました。
これからチャレンジしたことは何かもお伺いしました。
今後は「糸島九大オープンラボ」という活動を積極的に行っていきたいそうです。
糸島九大オープンラボとは、糸島よかとこラボというシェアオフィスのメンバーが
中心となって活動しています。
学びの場の提供。糸島×九州大学で、九州大学がもっと地域に入れるような、
糸島で活動できるような土壌を作っていきたいという想いがあります。
具体的に、学生が地元企業にインターンできる機会を提供したり、
最終的には就職や新規事業立ち上げなども行っていくことがこれからのチャレンジだそうです。
これからの大堂さんの活動にも目が離せません。
最後に、大堂さんから大学生である私にアドバイスをして頂きました。
「やりたいことは行動に移す。大人は「失敗するんじゃないの?」と心配するかもしれないが、失敗できるは学生の特権。失敗は出来るときにしたほうがいいから、たくさん行動に移すことが大切です。学生時代の経験が社会に出たときの力になり、自分を作り上げる。是非、大正大学や地元で空き家を活用して寮を運営してみてください。」
と、お言葉をいただきました。
私は失敗を恐れてなかなか行動に移すことが出来ないことがたくさんあります。
ですが、大堂さんにいただいたアドバイスから、行動し失敗することの大切さを、
もう一度実感することが出来ました。
今年は、空き家を活用して寮の運営やそのほか、イベントを開催するなど
たくさん行動しようと思います。
そして、大堂さんのように人や地域との繋がりを大切にしていきたいと思います。
今回のインタビューは空き家活用だけではなく、
自分自身の考えや行動についても勉強になる、とっても素敵なお時間となりました。
お忙しい中取材させていただいた大堂さん、本当にありがとうございました。
空き家活用特集第2弾はここまでです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
熱風寮 ホームページURL
《https://yoka-gotsu.co.jp/domitory/》
糸島よかとこラボ ホームページURL
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